On/Off switching mechanism of photoemission from QDs using photochromic molecules

TEM images of CsPbBr3 QDs

量子ドットを用いた発光ON/OFFスイッチング

コロイダル量子ドット(quantum dot: QD)は、有機色素に比して高い安定性と優れた発光量子効率からバイオイメージング材料として市販されており、ディスプレーへの応用も始まっています。中でも、ペロブスカイト型金属ハロゲン化物(CsPbX3, X = Cl, Br, I)の量子ドットは100%の蛍光量子収率と非常に鋭い発光を示し、アニオン組成の制御によって多色発光も可能であることから大きな注目を集めています。我々は、この量子ドットとフォトクロミック分子を組み合わせることで、光刺激によって発光をOn/Offスイッチできることを見出しました。光刺激によるフォトクロミック分子の色調変化によって、QDからの発光がスイッチできます。現在はこのプロセスの高効率化を目指して種々の有機分子の合成と量子ドットとの複合化を行い、多色・白色発光のOn/Off制御、バイオイメージング、ディスプレー材料などへの応用を検討しています。本研究は同学科の深港先生との共同研究になります。

Chem. Commun. 55, 8060-8063 (2019).

ACS Mater. Lett. 2, 727-735 (2020).

ACS Applied Nano Materials, in press (2020).

Synthesis of monodispersed SnO2 nanocrystals and WO3 nanolamellae for gas sensing

ナノ材料を用いたガスセンシング

ガスセンサ材料として、金属酸化物のナノ粒子やナノチューブ、ナノロッド、ナノラメラ等を合成し、その揮発性有機化合物(VOC)や大気汚染ガスなどに対する検知特性を調べています。 材料の結晶サイズ、形状、組成を大きくコントロールすることで、ガス感度や選択性をチューニングできることを見出しています。

 

Chem. Mater. 22, 2662-2667 (2010).
Appl. Phys. Express 6, 047201 (2013).

J. Phys. Chem. C, 117, 17574-17582 (2013).

ACS Appl. Mater. Inter. 6, 5319-5326 (2014).

Langmuir 30, 2571-2579 (2014).

J. Phys. Chem. C 118, 2554–2563 (2014).

ACS Appl. Mater. Interfaces 7, 5863-5869 (2015).

Anal. Chem. 87, 8407–8415 (2015).

Crystal Growth & Design 16, 4203 (2016).

ACS Appl. Mater. Interfaces 8, 35485 (2016).

Adv. Funct. Mater. 28, 1704620 (2018).

ACS Sensors 5, 1624-1633 (2020).

Device structures of GO-based gas sensor and electrozyer

酸化グラフェンを用いた電気化学デバイスの開発

炭素材料は資源的制約の無い無尽蔵のレアメタルフリー材料です。特に、フラーレン、カーボンナノチューブ、グラフェンなどのナノ炭素材料は、多機能材料として脚光を浴びています。我々は、これらナノ炭素材料の中でも、グラフェン類縁体である酸化グラフェン(Graphene Oxide; GO)に着目しています。GOがプロトン導電性を示すのは熊本大学のグループによって発見されましたが、GOを一部還元して電子導電性を発現させた場合もこのプロトン導電性が維持され、混合導電性を示すことを明らかにしています。我々はGOのプロトン導電性を利用してGO自立膜を用いた電気化学式水素センサを開発しました。Pt / C電極を取り付けたGO膜は、室温で動作する水素センサーとして機能し、センサ応答は水素のアノード酸化と酸素のカソード還元が同時に進行する混合電位メカニズムに基づいて生じました。また、GO自立膜に白金およびイリジウム触媒を取り付けて水蒸気電解デバイスを構築し、それが定量的に水蒸気を水と酸素に分解でき、GOがナフィオンの代替材料となり得ることも実証しています。その他、ガス分離膜やメンブレンリアクターへの応用も進めています。

Chem. Mater. 26, 5598-5604 (2014).

J. Mater. Chem. A 3, 20892-20895 (2015).

ACS Omega 2, 2994-3001 (2017).

ACS Sustainable Chem. Eng. 6, 11753-11758 (2018).

ACS Appl. Nano Mater. 3, 4292–4304 (2020).

Esterification of fattyacids using a GO catalyst under microwave irradiation

酸化グラフェンを用いたバイオマスの有用成分への転換

GOの優れたプロトン導電性にヒントを得て、GOを固体酸触媒としてバイオマスの転換に利用することを検討しました。マイクロ波照射下においてGOは、脂肪酸のエステル化(バイオディーゼル製造)、セルロールの単糖化に対して良好な活性を示すことを見出しました。さらに、亜臨界とマイクロ波照射の組み合わせによって単糖化が更に効率的に進行することも明らかにしています。その他、ワカメの多糖成分であるフコイダンの加水分解、配糖体の加水分解に対しても本プロセスが適用できることを報告しています。

Green Chem. 19, 3831-3843 (2017).       

Energy Fuels 32, 3599-3607 (2018). 

Catal. Sci. Technol. 8, 5434-5444 (2018).

RSC advances 9, 30325-30334 (2019).

 

Analysis of a standard gas containing propofol using a CO2 sensor combined with combustion catalysts

Oxygen separation membrane based on mixed conducting BaFeO3

イオン導電性セラミックスの応用

Na3Zr2SiPO12の組成で表されるナトリウムイオン導電体のNASICON(Na ion Super Ionic Conductor)は古い材料ですが、特性や安定性の面で優れており、ガスセンサ材料として実用化されています。 これまでにNASICONをベースとする高選択性、高安定性、高感度な小型CO2センサを開発しており、下図に示すように燃焼触媒と組み合わせた有機標準ガスの濃度検定法を提案しています。最近では、本システムがCO2吸着剤の性能評価にも利用できることを報告しています。

 

また混合導電性セラミック酸素導電体を用いた酸素分離膜の開発も行ってきました。LaドープBaFeO3に触媒層を取り付けたデバイスを用いて、700~900℃の空気から酸素のみを取り出すことができる分離膜を報告しています。

Anal. Chem. 82, 3315-3319 (2010).

Anal. Methods 3, 1887-1892 (2011).  

Sensors and Actuators B: Chem. 128105 (2020).

 

Adv. Mater. 22, 2367-2370 (2010).

J. Solid State Chem. 183, 2426-2431 (2010).

ACS Appl. Mater. Interfaces 2, 2849–2853 (2010).

Ceramics Int. 41,7830–7835 (2015).

Photorecovery process using a heteropoyacid-surfactant hybrid as a photocatalyst

液/液界面を反応場とする光触媒反応

均一性光触媒として知られるヘテロポリ酸とカチオン性の界面活性剤を複合化させて、有機相と水相の界面で光触媒反応を行っています。モデル反応として、貴金属イオンの光触媒還元を検討したところ、紫外線照射により、金イオンが界面にて光還元され、シート状の金属粒子が得られることがわかりました。

本プロセスを貴金属の回収に利用した場合には、貴金属の回収と触媒のリサイクルが可能になるため、新しい低環境負荷プロセスとして期待できます。
また、系にチオールを添加すれば、金の凝集が促進され、回収効率が向上することが判明しました。更に、種々の有機材料とのハイブリッドを開発中です。
 

Langmuir 24, 7648-7650 (2008).
J. Phys. Chem. C 113, 19986-19993 (2009).
Langmuir 29, 2128-2135 (2013).

Chem. Eur. J. 21, 7462-7469 (2015).

J. Phys. Chem. C 121, 13515-13523 (2017).

Synthesis of Cu2ZnSnS4 nanocrystals and their application for printed solar cells

多元系硫化物ナノ結晶の合成と光電気化学

Cu2ZnSnS4 (CZTS)は高い光吸収係数と太陽スペクトルに合致した禁制帯幅を併せ持つことから、薄膜太陽電池の光吸収層として非常に研究が活発化しています。 特に、資源的制約が少なく無害な元素から構成されているため、新しい低コスト太陽電池材料として大きく期待されています。  ここでは、高品質なCZTSのナノ結晶の合成とその塗布による化合物半導体薄膜の製造プロセスについて検討中です。 通常、化合物半導体薄膜は真空プロセスによって作製されますが、塗布法は高価な装置を使わずに成膜できるため実用上のメリットが大きいという利点があります。 しかし、単純に半導体ナノ結晶を塗布するだけではデバイスに応用できるレベルの半導体膜は得られないため、その高品質化のための要素技術について研究を行っています。

 

J. Phys. Chem. C 118, 804-810 (2014).

Inorg. Chem 54, 7840-7845 (2015).

ChemistrySelect 1, 86-93 (2016).

Tunable physical properties of supercritical fluids

Extraction of natural products using SCCO2 and subcritical water

超臨界流体を利用した分離および反応プロセスの開発

臨界温度及び臨界圧力近傍の領域の超臨界流体及び亜臨界流体を利用した分離及び反応プロセスの開発が行われています。超臨界二酸化炭素や亜臨界水を溶媒として様々な天然物から有用物の回収を目的として研究を進めています。超臨界二酸化炭素と水の性質を利用し、極性物質及び無極性物質の同時抽出について理論モデルによる抽出過程の解析と抽出効率の最適化研究などを行っています。亜臨界及び超臨界流体を用いて石油に変わる資源である「リグニン」や「ビチュメン」等の実用化を目的として研究を進めています。「リグニン」の加水分解反応経路の策定や「ビチュメン」のモデル物質の亜・超臨界水反応を通じて反応経路の検討を行っています。

Supercritical Fluid Technology for Energy and   Environmental Applications, 235-247 (2014)

Sep. Pur. Tech., 125, 319-325 (2014)

J. Agric. Food Chem. 61 (24), 5792-5797 (2013)

J. Supercrit. Fluids, 66, 215-220 (2012)

Mechanism of solvent-free microwave extraction of essential oil

Microwave-solvothermal synthesis of biofuel

マイクロ波照射を用いた分離及び反応プロセス開発

常圧または高圧下でのマイクロ波を用いた天然物から高機能成分の抽出およびバイオ燃料(バイオディーゼル、バイオETBE,GTBEなど)の合成プロセス開発を行っています。

Green Energy and Technology, 117-130 (2013)

Ind. Eng. Chem. Res., 52, 7940-7946 (2013)

Chemical Engineering and Science, 1(1), 122-16 (2013)

Biofuel Production-Recent Developments and Prospects, 415-436(2011)

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研究概要